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武州ゼミナールからの通信
by bushu-semi


武州通信156号(2008・4/4)

 カタクリの花。うつむいて恥らう姿が初々しくて可愛い。3月末日、今年こそは!と、念願の群生地を訪ねる。 
 薄紫のカタクリが 陽の光を浴びるにつれ 徐々に目覚めて花開く。眠たげに伸びをするティンカーベル(妖精)を想う。繁みのそこここで 夢のかけらを楽しむ “春の妖精”、カタクリの花。

《金融業界の今》の巻 

 3月15日(土)の『オアシス武州』から半月以上が経ってしまいました。『通信』に早く書かねばと思いつつ、忙しさにかまけて…、いや、ちょっと言い訳っぽいな。実は、内容が難しく、うまく書ける自信がなかっただけで。それもそのはず、テーマが「金融業界の今」だからね。講師の富田能成(現役の銀行員)さんは要点をうまく纏めて話してくれたのだが、どうも僕の頭脳の方がお粗末なようで…。話の中身は、「金融とは何か?」から始まって「“新銀行東京”の問題点」それに「サブプライムローンの意味すること」に至るまで。だから、うまく纏められないのも無理ないよ!って思いつつ、まぁ、なんとか頑張って、サブプライムローンだけでも纏めてみましょう。

 周知のように、サブプライムローンは、不景気を背景にしたアメリカの「低所得者向けの住宅ローン」。こんな何の変哲もないローンが世界経済を震撼(しん かん)させた、これがこの問題の“新奇性”です。2000年前後のアメリカ経済は、景気を回復するためにも住宅を買う人をどんどん増やす必要に迫られていました。そして低所得者にも売り出すことに…。もちろんリスクが高いから利息も高い。でも、住宅の価格はどんどん上がり、住宅ローン・ブローカーの口車に乗って「もし払えなくなったら家を売れば借金は返せるし、おつりがきて儲かるぞ」という思惑が原動力になって拡大していきます。とは言ってもやっぱり物には限度があるよね。やがて金利の急上昇で2006年には支払い不能者が続出。更に値段が高くなりすぎて買える人も激減。さぁ大変、状況は一転、バブルの崩壊です。住宅の値段は下がり、儲かるどころか低所得者は借金も返せなくて破産の憂き目に。昨年の夏には、貸し金の焦げ付きが金融市場全体を駆け巡る大変な事態が発生!! あれっ、これってどこかの国でも似たようなことが…。

 まぁ、ここまでならさして新奇性はなさそうです。さて、ここからが富さんのお話の中心です。サブプライムローンを利用した人は600万人を超え、総額は160兆円に達したと言います。ところで、銀行は住宅ローンをまとめて証券会社などに売却しその資金で新たなサブプライムローンを組み、次に証券会社などは(リスクを分散するために?)債権を証券化し小口化して売り出し、それを、世界中の金融機関やファンドなどが利益を当て込んでどんどん買いあさったという次第。こうなると、もう歯止めが利きません。壮大な絡み合いがグローバルに展開してゆき、そしてバブルの崩壊による被害もグローバルに…。何とも、いやはや…です。

 ところが被害は彼等だけに留まりません。ファンドは金融機関から融資を受けて自己資金の数十倍もの投資をしています。バブル崩壊の兆しは、融資した金融機関や投資家を不安にさせ、返済を迫ることになります。その返済のためにも当のファンドは自己保有の(日本の株を含む)株を大量に売却したのです。その結果は世界的な株の大暴落。更に、損失を補填するためや行き場を失った資金は新たな市場、つまり石油などの有望な投資先に走ることになります。で、石油価格の異様な高騰、それを受けての物価高、こうして「我が家の家計も苦しくなる」、これが、サブプライムローンのもう一方の顛末(てんまつ)。株に縁のない我が家がどうして? というのが落ちです。本当に腹立たしくも理不尽な話です。

 誰が仕掛けているのでもなく、違法な行為がそうさせるのでもなく、ただただ人々の欲望が世界を揺るがしている、これが富さんのお話の要点に違いない!(と、僕は勝手に納得)。もしかしてグローバル経済って意外に脆(もろ)いのかも? やがて世界大恐慌なんてことも!? それはともかく、利益を求めて走り続けなくてはならない世界って何だろうね。それに使い切れないほどのお金を稼いでもまだ欲しいもんですかね。マイクロソフトのビルゲイツの個人資産は580億ドル(約6兆円)だそうです。それは世界の貧しい人々10億人の年収を優に超えるとも聞きます。2008年度の世界長者番付でビルゲイツは第3位。まだ上には2人いるんだよね。何だかなぁー!って気分。

 ちなみに1兆円というのは、1日に1000万円使っても273年かかる金額なわけで…。こんなの金じゃねぇー。金で幸せが買えるか! まぁこう強がって、僕のような貧乏人は自らを慰めるしか方法がない?…らしい。

(斉藤 悦雄)
by bushu-semi | 2008-04-09 22:13
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