武州ゼミナールからの通信
by bushu-semi


武州通信第174号(2009・ 11/13)

e0049938_222123.jpg わが家の“月下美人”が7月・9月・11月と今年は三度も咲きました。 美人薄命? たった一夜の “儚い美” をうっとり眺めて “儚い恋” に酔いました。僕の心の隙間に ひっそりと 幸せのそよ風が吹きました。  
                             
《就職?大学? えっ、うーん!》の巻

 ほんわりと暖房が必要な季節です。そういえば立冬も過ぎたんですね。受験勉強もいよいよ終盤に入る頃。とはいえ、もう3人の大学受験生は指定校推薦やAO入試で合格を決め、今では糸の切れた風船模様…? かと思えば、残りの3人は一般入試に向けてラストスパート。高校受験生も来週の期末試験で内申点が決まり、本格的に受験勉強に入ります。受験生にとっては不安に駆られ精神的にも辛い季節。まぁ、こんなときは焦っても仕方ない。息をぐっと吸い込んで 心を落ち着かせて、目標に向かって頑張って欲しいですね。

 一方、高校一・二年生は、というと、これまた進路選択であたふたする季節です。「選択教科、どれとったらいいと思う?」 と訊かれても、「何言ってんの? 授業を受けるのは君なんだぜ!」。でもね、自分が何に興味があるか?などとは、深く考えたこともない生徒が多いのも事実です。結局、ほとんどは大学のコース、つまり「理系」か「文系」か、という抽象的で空虚な区分に従うだけなのですが…。君という存在は一体何を目指し何を学びたいんだ。普通の高校生にそんな難題を投げかけてもそれは無理というもの。入ってみなけりゃ分からないのが大学でもありますから…。そうなると、悲しいかな判断の基準は高校での成績以外には見つからない。ところが、これとて難しい。「数学」はできるが「化学」や「物理」は苦手、「国語」や「英語」はできるが理数はもちろん「地歴や政経」も嫌い。一体自分は何に向いているんだろう? こんなことが漸く頭をもたげるのもこの季節です。確かにレベルの高い大学に入るには今も昔も大変ですよね。結局 僕は、何はともあれ、何だか変だと思いながらも、とりあえず様々な教科を勘案しながら生徒の相談にのることになるのです。

 さて、つい最近まで「就職」を考えていた高二のY君が、突然 「大学へ行こうかな?」 と…。Y君は “勉強についてはちょっとなぁ?” でも、性格は明るいし、如才ないし、なにしろ可愛いし、 “社会に出たらもっと彼自身を生かせるかも?” と僕は思っていたのです。ところが予期せぬこの進学宣言。「えっ、どうして急に大学へ進学しようと思ったの?」 と僕。すると、「だって、今では会社に就職するより大学入試で合格するほうが簡単なんでしょう?」 とこれまた予期せぬ返答が…。「そんなこと、ない…。えっ、Y君、今、なんて言ったの?」突然僕の思考回路がパチパチウイーンとショートする。パチパチウイーン!パチパチウイーン!…「ふーん、なるほどそうかもしれないね?」 ようやく僕の思考回路が修復できたようです。これまでも大学に入って本当に大丈夫なのかな?と思う生徒はいたし、そんな彼らもとりあえず大学に進学している。しかし、彼らの大学選択の理由は、まさに “とりあえず” であったり “何となく” であったり “みんな行くから” であったり “もっと遊びたいしまだ就職したくないから” であったりと、あまりスッキリしない場合が多かった。でも、Y君の理由はこの点では明瞭である。「高卒の求人がないから大学へ」 この一点である。今では、“どんな大学でもいいや” と思えれば、受かる大学は何とか見つかるだろう。そして確かに就職のほうがままならないのかもしれない。

 それにしても、これはやっぱり奇妙に響く。昔は 「大学へ進学できないから就職を!」 だったのだから…。何だか僕の理解を超える時代が始まっている、そんな気分が僕をちょっぴり憂鬱に誘う。

 向いていない大学での4年間?「勉強なんて大嫌い」 と思いながらそれでも大学を選ぶの? それってちょっと悲しくないか? これまでも僕はそんな想いを抱いていた。そして今では 「就職が困難だから大学へ」。どうやら多くの大学は(本格的に)潜在的若年失業者の受け皿になってしまったようです。うーん、ついにそんな時代が到来したんですね!!

 ―  何はともあれ、考え込んでばかりはいられない。僕は何とか気持ちを持ち直し、今回も 「本人がそれで良いのなら、それも良しとしよう」 と思うことにした。

  ≪若者は明日葉 = 彼らの将来? 率直に言って分からぬ。≫

(斉藤 悦雄)
by bushu-semi | 2009-11-16 22:19
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