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武州ゼミナールからの通信
by bushu-semi


武州通信第170号(2009・7/27)

e0049938_17384584.jpg 46年ぶりの皆既日食、曇天の東京では残念ながら部分日食の影すら…。 
 太陽は輝いているのに夜が走ってくる幻想的な光景、一度この目で見てみたかったなぁ! 次は26年後の2035年の9月だとのこと。その時は(僕は)きっと映像ですら見ることはないだろう!

《親日的?反日的?》の巻

 日本の台湾統治を取り上げたNHKスペシャル『JAPANデビュー』第一回「アジアの一等国」(4月5日放映)がどうやら政界に波紋を投げかけているようです。ところで、僕はというと、この番組を特に深い思いもなくただ何となく「なるほどなぁ」と見ていただけでした。ところが、自民党は「反日的な番組だ」と批判し、共産党は「良い番組だ」と高い評価を与えているのです。また、この番組に関してNHKを相手に原告8000人を超える大規模訴訟にまで発展しているようなのです。

 とはいえ、ここで政治の話をしたいわけではありません。とてもとても僕の手に負える内容ではありませんからね。じゃぁ“どうして武州通信の話題にするの?”って思いますよね。 実はね、先日、南米パラグアイで日本語を教えている寺鍛冶和子さん(元武州の先生)から次のようなメールが入り、こちらのほうに心が動いたからに他なりません。

(前略)…先程ニュースを見ていましたら何やらNHKで揉めているようですね。実際、台湾の人は世代を問わず、多くは日本人に友好的です。ただ、台湾人にも「本省人」と「外省人」と呼ばれる区別があって、後者の第二次世界大戦後に中国大陸から入ってきた人々(おそらく心情は中国人)は、日本人に対して強度の憎しみを持っているように思われます。…(中略)…
 数年前、こんなことがありました。私がかつて日本語を教えていた男子生徒の台湾人ファミリー(大の親日家で彼の祖母の名前は「はな」さん)を知人の和食店へ招待した時のことです。その生徒のガールフレンドが勝手について来たので慌てて追加を注文したにもかかわらず、彼女は一口も箸をつけないのです。知人も相手が若い女の子なのでアイスクリームなども勧めてくれました が、全く反応なし。ちょうど排日運動がエスカレートしていた頃でした。ちなみに、彼は台湾の大学を出たのですが、彼女は上海の大学出身者でした。
 もうひとつは、先の男子生徒の姉が近所に嫁いでおり、彼のお母さんがその娘(彼の姉)のところのパーティーへ一緒に行きましょうと私を誘ってくれた時のことです。お姉さんもその夫も普通に愛想がよかったのですが、舅(その家の主人)は日本人である私に対して挨拶どころか全く無視、つまり、使用人(こちらでは日本人家庭では少ないのですが、台湾出身者の多くは家に使用人を置いています)と同等の扱い、その人にとって私はまるで「透明人間」なのです。…(中略)…
 パラグアイは台湾と国交があり、中国とはありませんが、隣国ブラジルは中国と国交があるので、中国系はブラジル経由でこちらへ簡単に入ってくることができます。とくに、天下の華僑ともなれば、何でもお金で入手可能ですから。私も実際体験するまでは知らなかったのですが、一口に台湾人といっても、各々のルーツまではなかなか把握できず、いろいろ失敗してから気が付くということの繰り返しです。        (k.terakaji)                                                                           

 長い引用になってしまいましたが、なんだか不思議に思いませんか? 台湾統治の当事国日本にいては中々実感できない国際問題が、地球の反対側の南米でリアルに体験できるというこの不思議さです。当事国に生活する僕達の多くは報道番組を見たり本を読んだりして「頭」で考えるしか方法がありません。だから、どんな資料を持ち出されても、たとえそれが第一次資料だと言われても、どうしても何処か判然としない心地の悪さが残ります。

 確かに、事に当たる判断の基準がもし実感だけなら“危うい”とは思いますが、実感から離れた架空の(政界や国民の?)判断も何やらかなり“怪しい”もののような気がしてなりません。        

(斉藤 悦雄)
by bushu-semi | 2009-07-27 12:58
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